社会に飛び込んで息苦しくなった人へ
はじめに
はじめまして。当サイトを運営している「名無しの権兵衛」です。
最近、今年の4月に入社した新人さんと面談をしたところ「仕事が何もできず、周りに迷惑をかけてばかりで辛い」という相談を受けました。
研修も終わり、OJTという名目で案件に配属されはじめてから2か月ほど。わからないところは積極的に質問しながら前進している姿を見て「頑張っているな~」と思っていたのですが、彼自身は己の無力さを感じていたようでした。
この相談を受けて思ったのは「自分にもそんな時期があったな、懐かしいな」という感情でした。社会人になりたての人は皆そう思うのかな、だとしたら「仕事ができない」だけで自分を全否定してほしくないという思いで本記事を書いています。
自身の経験も織り交ぜながら書きます。この記事を読んで「自分の悩んでいることは大したことないんだ」と思っていただける方が1人でもいれば幸いです。
IT業界に入ったきっかけ
私自身、新卒1年目の時は己の無力さに苛まれる日々でした。なんでIT企業に就職しちゃったんだろう…と嘆く日々でした。
それもそのはず。高校では理数科目を敬遠して文系を選択。進学した大学でパソコンを使うのは授業のレポート提出だけ。
こんな人間がIT企業に就職したらどうなるかなんて誰でも容易に想像できます。
それでもIT企業に就職したのは「どうせ働くなら成長産業に身を置きたい」、「ノルマに追われるくらいなら期限(納期)に追われたい」という理由があったからでした。
GAFAが世界をけん引していましたし、自分でプログラミングできたらかっこいいよな~くらいの感覚で就職活動ではIT企業しか受けませんでした。
結果、縁あって数社から内定を頂き、現在の職場で働くことになりました。
仕事が全くできない自分
1年目から2年目は生き地獄だったように思います。
プログラミングができないことはもちろんですが「先輩の言っている内容が理解できない」、「何がわからないのかわからないので質問できない」のが一番つらかったと思います。
私が入社したころはコロナ禍であったため、完全リモートワークでした。
会社に行かなくて楽ですが、質問があるときはテキストベースで聞くのがメインになるため、質問が伝わらないことがほとんどでした。
結局「このままのペースだと納期に間に合わない!」となり、ほかの案件をやっている先輩に手伝ってもらってなんとか間に合わせるということが続きました。
「何でこんなこともできないんだ!」と叱ってくれればいいものの、皆さん優しい方ばかりで「最初はこんなもんだから心配しないで大丈夫だよ」しか言わないので更に自己嫌悪に陥る負のスパイラルに陥っていました。
「会社の利益に貢献するどころ迷惑しかかけてない。自分は社会のゴミだ」と本気で思っていました。
更に追い打ちをかけたのは同期の存在です。同期は私以外、経験者だったのです。
彼らが専門学校や大学の研究室で学んでいた内容は会社で取り扱っている領域と親和性があったらしく、すぐに結果を出していました。
そんな彼らを見て「やっぱり自分にITは向いてない、辞めて公務員にでもなろうかな」とずっと思っていました。
3年目で徐々に慣れ始める
劣等感で押しつぶされそうになっていた日々でしたが、3年目になると徐々に慣れ始めました。
仕事の流れや業界の知識が身についたのは言うまでもありませんが、なにより「わからないことは悪いことではない」という意識が芽生えたことでした。
これは学生時代と異なる点かもしれません。
学生時代はわからないことがあるとテストでは失点につながり、評価されない仕組みです。
しかし社会ではわからない問いに対して答えを出さなければなりません。私だけでなく皆わからないんだと考えたら気分が楽になりました。
あとは「社会は自分が思っているより、かなりいいかげん」ということが分かったのも大きかったです。
「契約から漏れてしまったシステム改修を無償で、納期はそのままで開発してほしい」という無茶な要望や「顧客からシステム障害の問い合わせが来たから回答したけど、返事が2年経っても来ない」とかありました(大丈夫だったらしい)。
こんなことが日常茶飯事でも社会は回ってるんだ、ポンコツは自分だけではないと感じられるようになってからはメンタルが安定しているように思います。
さいごに
簡単ではありますが、私の新卒時代の思い出を書きました。
「自分は無能だ」と思うことは私は悪いことではないと思います。むしろ自分を客観視できていると好意的な印象を持ちます。
自分自身ときちんと向き合っている証拠だと思います。
ただ、必要以上に自信を責めてほしくないです。仕事やお金を稼ぐ方法はいくらでもあります。
「いま置かれている状況が苦しい」と思ったら塞ぎこまず、転職サイトをみるなど視野を広げてみてください。