iOS17「UIGraphicsBeginImageContextWithOptions」で不具合が起きたら
アプリ開発の中で、特定のビューを画像として保存したい場面に遭遇したことはありませんか?たとえば、カスタム描画したキャンバスや、動的に生成したグラフを画像としてエクスポートしたい場合などです。
以前の方法ではUIGraphicsBeginImageContextWithOptions
を使用して画像コンテキストを生成し、ビューをレンダリングしていましたが、iOS17以降では不具合が出る場合があります。今回はこのapiの代替であるUIGraphicsImageRenderer
を紹介します。
前提条件
・開発言語:Objective-C
・OS:MAC
・開発環境:Xcode16.1
現象
・iOSのバージョンを17に上げたうえで開発したアプリの動作確認をした際、UIGraphicsBeginImageContextWithOptionsを用いる一部機能が完了する前に強制終了してしまった
古い手法:UIGraphicsBeginImageContextWithOptions
以前の方法では、以下のように UIGraphicsBeginImageContextWithOptions
を使用して画像コンテキストを生成し、ビューをレンダリングしていました。
// 古い方法
CGSize canvasSize = customCanvas.frame.size;
UIGraphicsBeginImageContextWithOptions(canvasSize, NO, 0.0);
CGContextRef context = UIGraphicsGetCurrentContext();
[customCanvas.layer renderInContext:context];
UIImage *exportedImage = UIGraphicsGetImageFromCurrentImageContext();
UIGraphicsEndImageContext();
この方法でも十分な機能を果たしますが、いくつかの問題点があります。
- メモリ効率の課題:大きなサイズの画像を扱う場合、メモリ使用量が増加します。
- 柔軟性の制限:描画フォーマットやレンダリングオプションの設定が限定的です。
最新の手法:UIGraphicsImageRenderer
よりモダンな方法として UIGraphicsImageRenderer
を使用することで、効率的かつ柔軟に画像生成が可能です。以下はその例です。
// 最新の方法
CGSize drawingSize = drawingView.frame.size;
UIGraphicsImageRenderer *renderer = [[UIGraphicsImageRenderer alloc] initWithSize:drawingSize];
UIImage *exportedImage = [renderer imageWithActions:^(UIGraphicsImageRendererContext * _Nonnull rendererContext) {
[drawingView.layer renderInContext:rendererContext.CGContext];
}];
UIGraphicsImageRenderer のメリット
パフォーマンスの向上UIGraphicsImageRenderer
は内部でメモリ使用量を最適化しており、大きな画像を扱う場合でもスムーズに動作します。
高い柔軟性UIGraphicsImageRendererFormat
を使用することで、スケールや色空間などの詳細な設定が可能です。たとえば、高解像度画像を生成する際に以下のように設定できます。
UIGraphicsImageRendererFormat *format = [UIGraphicsImageRendererFormat defaultFormat];
format.scale = 2.0; // 解像度を2倍に設定
UIGraphicsImageRenderer *highResRenderer = [[UIGraphicsImageRenderer alloc] initWithSize:drawingSize format:format];
簡潔なコード
描画アクションをクロージャーで記述できるため、コードが簡潔で読みやすくなります。
まとめ
UIGraphicsImageRenderer
を使用することで、UIView を画像化する処理をより効率的に、そして高品質に実現できます。古いコードをまだ使用している場合は、この機会に最新の手法へ移行してみてはいかがでしょうか?
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